日本におけるWeb3:完全ガイド
執筆者 Bryan Lam

テクノロジーが世界各国の経済において主要な役割を果たす時代に、私たちは生きている。現在、web3はビジネス界で盛んに議論されているトピックであり、日本はこの変革的な動きの先頭に立とうとしている。
そのために、日本政府はweb3技術に関する促進的な政策や新たな法整備を進めている。国内企業もこのデジタルの潮流に乗り、web3関連のプロジェクトを積極的に開発している。
ポップカルチャーの発祥地である日本には、大手ゲーム企業だけでなく、世界的に知られるアニメ・マンガIPも数多く存在する。例えば、SonyとBandai NAMCOは、インキュベーションプログラムを通じてweb3業界に積極的に投資してきた。
しかし、web3の動きに影響を受けているのはエンターテインメント業界だけではなく、日本のあらゆる業種の企業がweb3プロジェクトに参入している。例えば、NTT DocomoやKDDIといった通信企業、Toyota、Mazda、Hondaといった自動車企業も、web3における新たな事業機会を模索している。
同時に、非代替性トークン(NFT)も国内で普及しており、デジタル革命の資産として位置づけられている。例えば、日本の著名なデザイナーである村上隆氏は、OpenSea.ioで販売されるNFTコレクションを手掛けている。さらに、これらのトークンは日本の多くの来場者や消費者の体験向上にも活用されている。
最後に、暗号資産市場も日本の投資家の関心を集めており、CoinhillsのBTC取引高ランキングではJPYが第3位に位置している。JPYは、1位のUSD、2位のKRWに次ぐ第3位の市場シェアを保持している。日本発のブロックチェーンとしてAstarが設立されており、SonyやToyotaをはじめとする国内企業との関係を築いている。
とはいえ、新しい技術を採用することは容易ではない。web3への注目が日々高まる中、多くの大手企業はweb3開発を進める上でさまざまな課題に直面している。
こうした課題を解決するために設立されたのが、大企業におけるweb3技術の導入に特化した企業Hakuhodo KEY3である。KEY3は、web3プロジェクトマネジメント、クリエイティブプランニングと開発、web3ハッカソンの運営に至るまで、web3ビジネスをフルチャネルでサポートしている。
KEY3について詳しくは、以下の記事をご覧ください:"Meet Key3: Japan's Leading Web3 Education DAO"
日本政府によるWeb3への取り組み
日本政府は、web3関連の法整備を通じてweb3プロジェクトの魅力を高める取り組みを進めている。アジア最大のWeb3カンファレンスであるWebX 2023において、日本の岸田文雄首相はweb3技術の受容とその広範な経済的可能性の活用に対する取り組みを改めて表明した。
岸田氏は、web3をイノベーション、スタートアップ、デジタル進化によって特徴づけられる日本の新たな資本主義の時代をもたらす原動力と位置づけており、ユーザーの安全性を優先しつつ、コンテンツ産業を後押しする機会と捉えている。
政府によるweb3推進への取り組みを強調する形で、自民党の政務調査会長である萩生田光一氏は、包括的なアプローチを推奨している。実際、氏はweb3に馴染みのない人々も含め、誰もがこの急成長分野における日本の未来を能動的に形作るべきだと指摘している。
政府主導の報告書とハッカソン
web3関連ビジネスをさらに推進するため、自民党のweb3プロジェクトチーム(web3PT)は2023年4月、税制の見直しや会計基準の標準化など、重要な提言を盛り込んだホワイトペーパーを発表した。
web3PTは現在も、web3の法整備に関するハッカソンを積極的に開催している。
これらのハッカソンでは、web3技術の開発とルールメイキングに関する議論も行われている。ハッカソンでは、関係者が短期・中期・長期の課題に対する解決策を検討している。例えば、企業が分散型自律組織(DAO)として分類されるためにはどのような条件を満たす必要があるか、といった議論である。
日本のベンチャーキャピタルに関する規制変更
2024年2月の規制変更以前、日本のベンチャーキャピタルは暗号資産への投資を禁じられていた。そのため、日本のweb3スタートアップは海外投資家の支援を求めることが多かった。
しかし現在、経済産業省(METI)が改正案を承認したことにより、日本国内の投資事業有限責任組合がweb3の中堅企業やスタートアップに投資できるようになったため、日本発の暗号資産・ブロックチェーンスタートアップの増加が見込まれている。この規制により、これらの企業は投資家や資金を獲得しやすくなった。
結論として、日本はweb3技術における主要拠点となることを目指している。新技術の迅速な導入を推進し、イノベーションを牽引することで、日本はweb3経済におけるグローバルリーダーとしての地位を確立し、デジタル大国としての立場を固めつつある。
日本の首相による後押しと、web3に配慮した法整備は、日本のデジタルトランスフォーメーションを本格始動させ、経済構造を再編する契機となる見込みである。政府と有力企業の後押しを受け、日本はweb3分野における飛躍的な成長を遂げると見られている。
日本企業におけるWeb3
大手日本企業はweb3プロジェクトへの投資を開始している。ここでは、自動車、通信、ゲームという時価総額の大きい3つのセクターにおけるweb3の活用事例を見ていく。
日本の自動車業界
自動車業界では、ToyotaやNissanといった有力企業がweb3に多額の投資を行っている。
Toyota
自動車業界では、Toyotaが2019年、Toyota Blockchain labへの出資により話題となった。同ラボはプルーフ・オブ・ワークを通じてweb3技術の有用性を検証している。ブロックチェーンにより、Toyotaはドライバーの成績をより正確に追跡できるようになり、Toyota GR Cupにおけるファンとの透明性も向上した。
また、Tokyo Auto Salon 2024の来場者向けにNFTを配布するイベントも開催した。このイベントでは、顧客はデジタルコレクティブルを受け取ることができ、一定数のスタンプを集めるとToyotaブースから物理的な景品を受け取ることもできた。
Nissan
もう一つの例として、Nissanは2023年3月、米国で4件のweb3商標を出願し、デジタル自動車業界におけるweb3分野の可能性を模索している。
この商標では、「非代替性トークン(NFT)によって認証された、動画、画像、アートワーク、チケット、音声、サウンド、音楽、トレーディングカードの、非代替性トークン(NFT)の買い手と売り手のためのオンラインマーケットプレイス」の開発が進められているとされている。
日本の通信業界
通信業界では、大手のNTT DocomoとKDDIがすでに暗号資産関連プロジェクトの検討を開始している。
NTT docomo
同様に、日本の大手通信企業もweb3技術の導入を開始している。2024年3月、日本最大の通信事業者であるNTT Docomoは、子会社を通じて消費者向けのweb3ウォレットを発表した。
このウォレットは現在、以下の4つのブロックチェーン上でNFTおよび暗号資産を管理することができる。
- Ethereum
- Avalanche
- Polygon
- Astar Network
KDDI
同様に、通信業界第2位のKDDIも、初めて利用するユーザーにも優しい、使いやすいとされる独自のウォレットを発表している。
日本のゲーム業界
ゲーム業界では、SonyやBandai NAMCOといった多国籍企業が、ここ数年、インキュベーションプログラムを通じてweb3に無視できない規模の投資を行っている。
Sony
SonyはStartale Labs(Astar Network)と提携し、web3インキュベーションプログラムに350万米ドルを投資した。このプログラムの目的は、web3とSonyのリソースを活用した新たなエンターテインメント体験の創出、およびNFTを通じたクリエイターやアーティストの支援である。
Bandai namco
Bandai Namcoは、web3およびメタバース関連企業への投資を目的として「Bandai Namco Entertainment 021 Fund」を設立した。3年間で約2,380万米ドルを投じる見込みとされている。
Square enix
Square Enixは、Ethereumベースのweb3ゲームである「The Sandbox」に201万米ドルを投資し、web3ゲームのアクセシビリティ向上を目指すPCゲームプラットフォーム「Elixir」との提携を発表した。
Anime
さらに、アニメIPの権利者もweb3プロジェクトの一環としてNFTのリリースを開始している。
Kodansha、Production I.G、WIT Studioといった業界大手も、web3分野にリソースを投じている。特にKodanshaは、「攻殻機動隊」と「フェアリーテイル」という2つの主要IPに注力しており、これらの作品に関連したNFTシリーズがリリースされている。
ファンにとってNFTはすでに一般的なものとなりつつあり、今後も著名なIPからのリリースが増えていくと見られる。
日本のハッカソン
最後に、日本では昨年以降、活発にハッカソンが開催されている。法整備の分野では、web3技術の開発とルールメイキングについて議論するためのハッカソンが専用に開催されている。
デジタルイノベーションを推進すべく、Hakuhodoとそのweb3プロジェクト向け子会社であるHakuhodo KEY3は、パートナー企業とともに2023年に「Web3 Global Hackathon」を共催した。
スポンサーにはToyota、Mazda、Mitsubishiといったグローバル企業が名を連ねており、各プロジェクトはweb3技術の実装を通じてそれぞれの対象層に合わせて設計されている。
このイベントには、日本国内外から合計377名のエンジニアやクリエイターが参加し、65チームがプロトタイプを提出した。現在、KEY3は東京で開催され2024年8月末まで続くWaveHackイベントの共同主催者を務めている。
WaveHackについての詳細は、以下の記事をご覧ください:"Wavehack: Japan's Premier Web3 Hackathon"
世界的なブランドがweb3エコシステムにおけるデジタル成長を追求する中、今後さらに多くの企業が全国的にこの流れに続くことが予想される。日本企業はすでにデジタル革命のスタートラインを切っており、web3プロダクトにおけるグローバルリーダーを目指している。
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